ガス漏れでクレーム発生！？エアコン工事で注意すべき施工ポイント

エアコン工事を行う上で、「ガス漏れ」は施工業者として最も注意すべきトラブルの一つです。ガス漏れが発生すると、エアコンの冷暖房能力が低下し、顧客からのクレームにつながるだけでなく、修理やガス補充のコストが発生します。さらに、冷媒ガスが環境に悪影響を与える可能性もあり、施工業者としては絶対に避けたい問題です。

ガス漏れは、施工ミスによるものがほとんどですが、中には経年劣化や外的要因によるケースもあります。本記事では、エアコン工事におけるガス漏れの主な原因と、それを未然に防ぐためのポイントについて詳しく解説していきます。施工の品質を高め、顧客からの信頼を得るためにも、ぜひ参考にしてください。

エアコンのガス漏れは、さまざまな要因によって発生しますが、大きく分けると以下のような原因が考えられます。

 

1. フレア接続の不具合

フレア接続は、エアコンの冷媒配管を接続する際に一般的に使用される方法ですが、施工ミスがあるとそこからガスが漏れることがあります。

主なミスの例

• フレア加工が不適切で、均一な面が作られていない
• バリ取りが不十分で密閉性が損なわれている
• フレアナットの締め付けが弱すぎる、または強すぎて変形している
• シール剤の使用に頼りすぎて適切な施工がされていない

フレア接続を行う際は、適切なトルクレンチを使用し、メーカー推奨の締め付けトルクで確実に締めることが重要です。

配管に傷や亀裂があると、施工直後は問題なくても、時間が経つにつれてガス漏れが発生することがあります。

 

傷が入る原因

• 配管を加工する際に、工具で傷をつけてしまう
• 配管を曲げるときに無理な力を加えてしまう
• 施工中に地面や壁に擦ってしまい、細かい傷が入る

新品の配管であっても、施工の仕方次第で傷がついてしまうことがあります。そのため、配管を扱う際は慎重に行い、加工後には必ず傷の有無を確認しましょう。

業務用エアコンや配管延長が必要な場合には、溶接（ロウ付け）を行うことがあります。しかし、この溶接作業が不適切だとガス漏れの原因になります。

 

溶接不良の主な原因

• 適切な温度でロウ付けされていない
• 配管の端部にゴミや酸化皮膜が残っている
• 溶接の隙間が適切に埋まっていない

ロウ付けを行う際は、しっかりと清掃し、適切な温度管理を行うことで、密閉性を確保できます。施工後の漏れチェックも必須です。

施工後に行う「真空引き」が不十分な場合、配管内に水分や空気が残り、それが長期的なガス漏れの原因になります。

 

真空引きが不十分だと…

• 配管内部に水分が残り、腐食の原因となる
• エアコンの効率が悪化し、機器の寿命が縮まる
• 微細な隙間から冷媒が漏れ出す

必ず真空ポンプを使用し、規定時間しっかりと真空引きを行いましょう。ゲージを使って漏れがないか確認することも大切です。

施工ミスがなくても、時間が経つと配管や接続部が劣化し、ガス漏れが発生することがあります。特に、屋外に設置されるエアコンは、風雨や紫外線の影響を受けるため、劣化が進みやすいです。

 

経年劣化の影響を受けやすい部分

• フレア接続部のナットが緩んでいる
• 配管の接合部分のゴムパッキンが劣化している
• 配管自体が腐食し、小さな穴が開いている

定期的な点検と、必要に応じたメンテナンスが重要になります。

ガス漏れを未然に防ぐためには、施工時の細かな配慮が求められます。以下のポイントを意識して作業を行いましょう。

 

1. フレア接続は丁寧に行い、トルクレンチを使用して適正な力で締め付ける
2. 配管の加工時には慎重に扱い、傷や亀裂が入らないように注意する
3. 溶接作業を行う場合は、確実なロウ付けと適切な温度管理を徹底する
4. 真空引きは十分な時間を確保し、確実に行う
5. 施工後はガス漏れ検査（リークテスト）を実施する
6. 定期的に点検を行い、経年劣化による漏れの兆候をチェックする

施工時にしっかりとした対策を行えば、ガス漏れトラブルを大幅に減らすことができます。

エアコン工事におけるガス漏れは、施工ミスによるものがほとんどです。

特にフレア接続のミス、配管の傷、溶接の不具合、真空引きの不足など、基本的な作業が適切に行われていないことが原因となります。施工業者としては、常に細部に注意を払い、確実な施工を心がけることが求められます。

適切な施工を徹底し、ガス漏れトラブルを防ぐことは、顧客の満足度向上にもつながります。

信頼される業者としての評価を高めるためにも、確実な施工を行い、トラブルのないエアコン工事を実現していきましょう。

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